静かなる一頁静かなる一頁

1993年/露独共同制作/モノクロ+カラー/77分 
音楽=グスタフ・マーラー「亡き子をしのぶ歌」(歌詞=フリードリヒ・リュッカ
ート/演奏=マリーンスキー劇場交響楽団)/O・ヌッシオ「音楽と絵画」(指揮
=G・ロジェストヴェンスキー)
原作:フョードル・ドストエフスキー「罪と罰」

ロシア文学の傑作「罪と罰」をソクーロフは大胆な解釈で、SF的ともいえる要素も交えて映画化。マーラーの歌曲「亡き子をしのぶ歌」はこの映画のために作曲されたかのごとく、効果的に使われている。


セカンドサークルセカンド・サークル

1990年/ロシア/93分/カラー
音楽:O・ヌッシオ「音楽と絵画」(指揮=G・ロジェストヴェンスキー)

父親の死で帰省した息子。入れ替わり立ち代りアパートに訪れる役人や医者への対応に追われる。ある者は横柄にある者は快活に。だが、一様に機械的で融通がきかない・・。監督は1990年の完成当時、「この映画は今のソ連(崩壊直前)を象徴する」と語っていた。


ストーンストーン/クリミアの亡霊

1992年/ロシア/カラー/88分

「セカンド・サークル」「静かなる一頁」と本作とで<生と死をめぐる>三部作を構成している。夜、誰もいないはずのチェーホフ館に人影が・・・。番人の青年が覗くとチェーホフが服を着たまま水を浴びている!蘇ったチェーホフとこの青年との交流がモノクロの映像と神秘的な音響で幻想的に描かれる。








ヴィオラソナタヴィオラソナタ・ショスタコヴィチ (劇場未公開)

セミョーン・アラノヴィッチとの共同監督
1981年/ソビエト/80分

ショスタコヴィッチの音楽と生涯についての作品。旧ソビエトで最高会議代議員であり、数々の賞を授与された彼は、実は反体制派だった・・。アラノヴィッチが無名のソクーロフを共同監督に抜擢した本作は、ペレストロイカまで公開禁止だった



ソビエトエレジーソヴィエト・エレジー

1989年/40分

後にロシア共和国初代大統領になったボリス・エリツィンをとらえたドキュメンタリー。トロツキー、レーニン、スターリンに始まりゴルバチョフなど、ソビエト連邦歴代有力政治家が紹介され、じっとエリツィンの姿をとらえる。「ペテルブルグ・エレジー」でシャリアピンの息子をじっと長時間、写しだしたように、やはりこの作品でもエリツィンを延々と追う・・・。




モスクワエレジーモスクワ・エレジー (劇場未公開)

1986-1987/ソビエト/88分

タルコフスキーについてのドキュメンタリー。ソクーロフはタルコフスキーの個性と思い出に本作を捧げた。ちなみに終章に流れるチェロは、同じく亡命者だったロストロポーヴィチによるものである。





日陽はしづかに日陽はしづかに発酵し・・

1988年/ロシア/カラー/138分
原作:「世界終末十億年前」(ストルガツキー兄弟著 邦訳:群像社)

中央アジアの荒涼としたウラン採掘坑跡地を舞台に、ロシアと中央アジアの青年の交流を軸に、スターリンの強制移住に端を発した民族問題、イスラム教とキリスト教古儀式派との関係、核開発による自然破壊など、複雑なロシア現代史が隠喩のように込められている。フクシマ後、この映画の伝えるメッセージは深い!



モレク神モレク神

1999年/露独共同制作/カラー/102分

ベルヒテスガルテンの山荘でのヒトラー、エヴァ、側近たち。モレク神とは、子どもを人身御供にさせた古代セム族の信仰に由来する神の名で、旧約聖書では悲惨な災いや戦火の象徴とされる。「ヒトラーを徹底的に<ひとりの男>に引きずり降ろさなければ歴史の悪循環は断ち切れない」と語るソクーロフの描くヒトラーとは・・・



ヒトラーのためのソナタヒトラーのためのソナタ

1979-1989年/ソビエト/モノクロ/10分
音楽:J.S.バッハ<無伴奏フルートソナタBMV1013>

ヒトラーとスターリンという同時代を生きた二人の独裁者の人生を、スティル構成で対比させた。セリフがまったくなく、群集の喚声や不気味な不協和音が画面を覆うが、不思議な静けさと緊張感に満ちている。ちなみにソクーロフはヒトラー、レーニン、ヒロヒトと20世紀の3人の権力者をテーマに本作以外に、3本の映画、「モレク神」(1999年)「牡牛座 レーニンの肖像」(2001年)「太陽」(2005年)を作っている。




マザーサンマザー、サン

1997年/独・露共同製作/カラー/73分/ドルビーSR 
音楽:グリンカ、ベルディ他

病む母はまもなく訪れる死を息子の愛の中で待っている。二人の暮らしはつましい。ゆく夏を惜しむような陽射しの中を二人は散歩する。ゆたかだった生が向かうのは、静謐な祈りと死の世界。殺戮に満ちた20世紀を癒すように映画の時間は流れる。「マザー、サン」には母と息子の二人しか登場しないが、彼らは近代を生き延びた人間の普遍的なモデルなのである。




ファザーサンファザー、サン

2003年/独・露・仏・伊・蘭共同製作/カラー/84分
第56回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞

歴史ある静かな街に暮らす退役軍人の父と、軍人養成学校に通う息子。父親は職を求め、息子は悪夢に苛まれていた。ロシアとなった現代の戦争、アフガン戦争を背景に死の影が漂う一方で、画面は一幅の絵画のようだ。



牡牛座牡牛座 レーニンの肖像

2001年 ロシア カラー スタンダード 94分
2001年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品
2001年ニカ賞最優秀監督賞・作品賞・主演男優賞・女優賞・撮影賞・脚本賞・美術賞受賞
ロシア映画評論家協会最優秀最優秀監督賞・最優秀作品賞・主演男優賞・主演女優賞・撮影賞・脚本賞・美術賞受賞

最初の脳梗塞の発作による療養中のレーニンと看病する妻と妹や、権力掌握を目前にして喜色満面たるスターリン、監視する兵士など周辺の人々を描いた。共産党政権下で育ったソクーロフ監督は、自らカメラを回すほど力を注ぎ、ロシアのアカデミー賞に相当するニカ賞の各部門を総ナメにした。ソビエト政権崩壊がなければできなかった作品。



チェチェンへチェチェンへ アレクサンドラの旅

2007年 露仏共同製作 92分
出演:ガリーナ・ビジネフスカヤ
2007アメリカ映画協会time for peace 賞・最優秀欧州映画賞他受賞多数

チェチェンのロシア軍基地に赴任中の孫に会いに行くアレクサンドラが見たものとは・・。全編実際のロシア軍基地で撮影。アレクサンドラ役のビシネフスカヤは、チェリスト、ロストロポーヴィチ夫人で、撮影当時80歳の世界的オペラ歌手。



孤独な声孤独な声

1978年=1987年/ソビエト/カラー/86分

ソクーロフの全ソ国立映画大学卒業制作で第一回監督作品。ニキータとリューバの愛の物語。タルコフスキーの擁護にもかかわらず、当局から上映禁止処分を受けた。理由は明らかにされてないが、ひたすらコンクリートをこねる労働者の姿、貧しい市民生活の描写なかにされてないが、延々とコンクリートをこねる労働者のシーンなどが、当局のカンに触ったのだろうか?



ロシアンエレジーロシアン・エレジー

1993年/露/カラー/68分 
音楽:チャイコフスキー「子供のためのアルバム」より<フランスの古い歌>

冒頭、黒い画面から微かに聞こえてきてくる息づかい、痰を切る音。闇があけてくるに従い、死の床にある患者と看病する女性がいるとわかる。夢なのか、死に向かう者の見る幻想なのか、静謐さの漂う画面は一切の解釈を拒否する。監督自身は本作を「ロシア的感情のスケールの映画だ」と語っている。



エルミタージュエルミタージュ幻想

2002年/露独日(NHK)共同製作/カラー/96分
オリジナル音楽演奏:ロシア国立エルミタージュ交響楽団/音楽演奏:マリーンスキー歌劇場管弦楽団(指揮:ワレリー・ゲルギエフ)/特別出演:ワレリー・ゲルギエフ
2002年トロント国際映画祭最優秀造形賞・2003年サンフランシスコ映画批評家協会賞・ドイツ映画撮影賞・2004年ニカ賞最優秀美術賞・アルゼンチン国際映画祭最優秀外国語映画賞他

美術品が陳列されたままのエルミタージュ美術館(世界最大所蔵品数300万点以上)内部を使い、ロシア近・現代300年間の歴史を、映画史上初の90分ワンカットの手法で描いた映画史上最も贅沢な作品!世界的に大ヒット!!